ITパスポート試験は独立行政法人であるIPA(情報処理推進機構)が実施している国家資格です。
そして「ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる」と説明されています。
昔と違い、今では日常生活でもITの技術は必須のものとなり、特に仕事となると、文系・理系、業種・職種を問わず、あらゆる分野でITは全ての基盤となっています。
そんな中、ITパスポート試験は「ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験」ですから、メリットがないわけがありません。
求める転職先のIT技術の必要度によって違いはあれども、ITパスポートを取得しておくことは就職や転職において有利となる資格と言えるのではないでしょうか。
この記事では、そんなITパスポート試験について、さまざまの視点から紹介していきたいと思います。
ITパスポートは独学でも取得可能ですが、心配な人は通信講座もあります。
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ITパスポートは就職・転職に役立つ?
そもそもITパスポートの取得は就職や転職に役に立つのでしょうか?
YES・NOで答えられる程、単純ではありません。
就職するの求められるスキルによって、有利にもなりますし、大して役に立たない資格にもなります。
まず、事務系の就職先を狙っている場合、そして、新卒での就職活動を行う場合には有利に働き、就職や転職に役立つ資格と言えるのではないでしょうか。
ITパスポートを取得しているということは、ITの基本的操作や知識・技術を満たしていることの証明になります。
今や、事務系と言ってもITを使わない仕事を探さない方が難しいからです。
そして、新卒の場合にも、ITパスポートを取得していれば、少なくとも入社前にITの基本的な知識・技術を持っている証明にはなるので、未取得者よりも有利に働き高評価に繋がりますね。
一方で、30代以上のエンジニアの転職という点でITパスポートの取得の価値を考えると、やはり正直無駄であると言わざるを得ません。
特に、エンジニアは資格よりもどれだけのスキルを持っているか、そして、それまでの仕事の実績が転職の場合には問われます。
ITパスポートレベルの知識は持っていて当たり前と思われても仕方がないからです。
つまり、ITパスポートの取得が就職や転職に役に立つかどうかは、自分が何を売り込もうとしているのか、就職先からのどのようにみられているのかによって変わってきます。
国家資格の取得がまったく意味がないわけではありませんが、資格マニアにならないように注意すべきですね。
ITパスポートとはどんな資格?
試験実施者のIPA(情報処理推進機構)によると、以下のように定義されています。
【iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験】
※ ITパスポートはパスポートは通称「iパス」と言われています。
ITパスポートは以下の図を見てもらってもわかる通り、IT系、情報処理技術者試験の中でもっとも簡単な初級者向けの資格です。
🔎上表はクリックで拡大できます。
今30歳以上の人でIT系の資格に興味を持ったり、実際に資格の勉強をした人であれば、初級シスアド(正式名称:初級システムアドミニストレータ試験)の後継試験という方がわかりやすいでしょう。
実際には、2009年に初級シスアドが廃止され、ITパスポート試験が始まったわけですが、初級シスアドは試験範囲は狭いものの、その分発展的な問題が多く見られました。
一方、ITパスポートは、試験範囲は広くなりましたが、より基礎的な問題が多くなり、初級シスアドよりも合格しやすい試験になりました。
ITパスポートの特長を知ることから始めよう!
では、具体的にITパスポートの特長をまとめて紹介しますね。
試験範囲
ITパスポートは大きく分けると3つの分野に分かれて出題されます。
ストラテジ系
ITパスポート試験の出題範囲のストラテジ系は、企業活動や経営、システム戦略についての分野に当たります。
経営の基本から知的財産権、個人情報保護などの法務、マーケティングなどの知識も問われます。
いくらパソコンの知識が豊富でも社会経験がないと難しい分野ですね。
マネジメント系
ITパスポート試験の出題範囲のマネジメント系はシステムの開発、実施するプロジェクトをどのようにマネジメントするかなどが問われます。
開発の手法の流れやプロジェクトの管理方法、システム監査の概要などの知識を付ける必要があります。
テクノロジ系
この分野がIT系の資格で出題されると思われている分野です。
コンピューターの数字やパソコンの仕組み、セキュリティ、ネットワーク、データベースなどのITの技術が問われます。
試験形式
これまで取り上げてきた旅行業務取扱管理者やファイナンシャルプランナーは、PBT方式といって全国一斉試験形式です。
私もこのスタイルしか受験したことがありませんが、ITパスポートはCBTという方式を採用しています。
CBT方式は、Computer Based Testingの略で、CBT会場でコンピューターを使って受検するシステムです。
PBT方式と比較すると、以下のようなメリットがあります。
受験の受けやすさ
CBT方式では、随時試験行われており、受検可能日は月1回~5回ペースまで増えてきています。
試験は1日最大3回実施しているので、会社員なども仕事帰りに気楽に受けることができますね。
学習計画が立てやすい
個人で受ける場合でも、試験日に合わせる必要がないので、自分のスケジュールに合わせて準備することができます。
申込・試験結果などが迅速・簡単になった
CBT方式では試験の申込から受験までの期間が大幅に短縮されました。
また、受験後すぐに自己採点ができ、その時点で合格基準に満たしていればほぼ合格が確定します。
正式には、ITパスポート試験を受験した月の翌月15日前後の正午にはホームページで公表されます。
独学でも大丈夫?どんな方法が合格しやすい?
ITパスポート試験では、どのような勉強方法が良いのでしょうか?
これまで述べてきた通り、ITパスポートは決して難しいレベルの試験ではありません。
ただ、試験の難易度に関わらず、独学で勉強することが向いていない人もいます。
まずは独学から見ていきましょう。
参考書・問題集で独学
ITパスポートには特に受験資格はありませんし、参考書や問題集を使って、独学で合格することが可能な国家資格です。
ただ、独学で勉強するには、自分でスケジュール管理をすることとモチベーションを維持することが合格の絶対条件です。
もともと受験勉強も得意でない人の場合、たとえ通信講座の受講料などの費用は削れても、何度も試験に挑戦することになってしまう可能性はありますね。
通信講座を受講する
独学に不安を感じる人には通信講座がおススメです。
通信講座を利用することで、まずスケジュール管理が楽になりますし、モチベーションを維持するのに最適です。
また、ITパスポートは比較的易しい試験ですが、広く浅くで試験範囲がかなり広いです。
その点、通信講座は効率を重視してプログラムが作られているので、無駄な勉強をしなく済むという大きなメリットがあります。
ITパスポートの難易度は?
ITパスポートの難易度を見てみましょう。
ITパスポートは、比較的易しく情報技術者試験の中ではもっとも初級レベルと言われています。
では、合格ライン、合格率などから難易度を見てみましょう。
合格ライン
ITパスポートには、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野があり、それぞれ1,000点満点で行われます。
そして、それぞれの分野で最低300点以上が合格ラインになります。
その上で、全体を1,000点満点として、600点以上を取る必要があります。
合格率
ITパスポートの5年間の平均合格率は以下の表の通りです。
🔎上表はクリックで拡大できます。
5年間の平均の合格率は49.9%になります。
簡単にいうと、2人に1人は合格できるレベルですので、他の国家資格としても、難しい資格ではないことがわかると思います。
ITパスポートは就職・転職に役に立つ?のまとめ
いかがでしたか?
繰り返しになりますが、転職や就職に有利かどうかは、IT企業などエンジニアとして転職する場合はほとんど役に立ちません。
ただ、事務系への就職・転職、また、新卒者の就職に関しては、未保有者と比較すれば有利に働きそうですね。
今や文系・理系に関係なく、最低限のITの知識は必要です。
ITパスポートを取得していることは、自分のITに関わる知識がどの程度であるのかを知る良い機会にもなります。
また、客観的にも必要最低限のITの知識を有する証明にもなりますね。
さらに、試験日もCBT方式を採用しているので、自分のペースで受験することができますし、結果もすぐにわかるので、気楽に受けることができるのではないでしょうか。
新卒者で将来ITエンジニアを目指したいと思っている人は、IT系の国家資格の出発点として、挑戦されるといいのではないかと思います。
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