ITパスポートのCBT方式とは?他の方式と何が違うの?
CBT方式は、情報処理技術者試験を実施するIPA(情報処理推進機構)が2010年に導入をしたパソコンを使った試験方式のことです。
多くの国家資格の中で、ITパスポートはCBT方式を初めて導入した国家資格で他の国家資格試験にも大きな影響を与えています。
もともと国家試験などは、PBT方式といって、紙の問題用紙と解答用紙が配られて、鉛筆などで解答用紙に答えを書き込む試験方法が採用されてきました。
これに対し、CBT方式の大きな特徴は、コンピューターを使い、マウスやキーワードを使って回答し、試験結果は試験終了と同時に確認できる点ですね。
この記事では、もう少しCBT方式について、その採用の背景やメリット、デメリットについても解説していきたいと思います。
ITパスポートのCBT方式とは?
ITパスポートも従来はPBT方式による方式を採用していました。
試験は春・秋の年2回、全国で一斉に行われていたんですね。
しかし、CBT方式の採用によって、受験の機会が大幅に増加しました。
現在では、試験会場によって回数は変わりますが、月1回~5回も受けることが可能になっています。
また、試験会場も2020年3月24日現在、約115カ所で実施されており、試験日と試験会場を組み合わせると、受験の機会は大幅に増えています。
試験会場一覧(2020年3月24日現在)https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/excel/kaijyo.pdf
CBT方式が行われるようになったのはなぜか?
どうして国家資格でITパスポートがCBT方式を採用するようになったのでしょうか?
CBT方式を採用するようになった理由はいろいろありますが、主なものとして2つ挙げてみたいと思います。
多岐選択式のみで記述式がない
ITパスポート試験では、基本的に多岐選択式の問題ばかりで、記述式の問題はありません。
もし、設問に記述式問題が含まれていると、人の目による採点が必要になりますよね。
そうなると、せっかくCBT方式で機械的に採点ができるメリットがなくなってしまいます。
そういう意味でもITパスポート試験はCBT方式が導入しやすかったと言えますね。
出来る限り多くの人に受験してもらいたい
ITパスポートは「ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる」と定義されています。
つまり、ITパスポート試験は出来る限り多くの人に受験をしてもらうことを目的としたIT系のもっとも初歩的な国家資格なんです。
そういう意味でも、年2回ではなく、もっと試験回数を増やし、誰でも受けやすいように試験会場も増やすためにCBT方式を採用することは当然の流れだったのではないかと思います。
CBT方式のメリットとデメリットとは?
では、具体的にITパスポートのCBT方式のメリットとデメリットを紹介しますね。
・受験者は試験会場・試験日を多くの選択肢から選ぶことが出来る
・試験日を選べるので学習計画を立てやすい
・CBT方式なので試験後すぐに合否がわかり発表までの不安を払拭できる
・主催者側も問題冊子などの作成コストを削減できる
・機械的に採点できるので人的コストがかからない
・パソコンの操作が不得手な人は余計なストレスがかかる
・試験日が選べる自由さのためモチベ―ションが維持できない
ITパスポートのCBT方式のまとめ
いかがでしたか?
こうやってみると、IT系の資格であるITパスポートはCBT方式との相性が良いことがわかりますね。
あえてデメリットとして挙げましたが、ITパスポートを受験しようと思っている人でパソコンの操作がものすごく苦手な人の数はあまり多くはないと思います。
また、あまり得意ではない人でも、基本的なマウスの操作とキーワードの入力さえできれば、ほとんどデメリットはないのではないでしょうか。
今や仕事をするうえで、それが企業であれ、個人であれ、ITの知識がまったく不要な業種を探す方が難しいのではないかと思います。
もちろんITパスポートは国家資格ですが、この資格だけで食べていけるようなレベルのものではありません。
しかし、学生の方などは、ITパスポート資格を持っていることは、ITに関する一般常識を持っていることの証明にもなりますし、興味のある人はさらにIT系の上級資格への入り口にもなる資格なので、取得しておいて損はないとおもいますよ。
ITパスポートの難易度は決して難しくはありませんので、独学でも十分に合格することはできると思います。
ただ、あまり時間がとれないとか、勉強自体が苦手でモチベーションが続かないなど心配な方は、通信講座を受けてみるのも一つの手ですね。
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