ITパスポートと基本情報技術者の違いとは?免除があるって知ってた?

ITパスポートと基本情報技術者の違いを理解している?

ITパスポートと基本情報技術者は何が違うんですか?
川本 隼也
川本 隼也

そんな質問がネット上でも見受けられます。

この記事では、2つの試験の違いについて解説をしていきたいと思います。

詳細は下記に記載していきますが、試験そのものの違いと資格を取得した評価について、結論を書きますね。

資格試験としては、ITパスポートの方が、難易度が低く、合格率も高くなっており、基本情報技術者の方がより難しく学習時間も多く必要と言われています。

そして、資格そのものの評価については、基本情報技術者の方が高く、どちらかと言えば転職などにも役に立つ資格と言えるでしょう。

ITパスポートは社会人としてITの基本的知識を持っている証明にはなりますが、就職・転職に直接プラスになることは考えにくいです。

ITパスポートと基本情報技術者試験はどちらから取得するのがいい?

では、実際にはどちらを先に取得する方が良いのでしょうか?

この問いに関しては、受験生が学生か社会人かによって変わってくると言えるでしょう。

IT系の資格としては、基本情報技術者がITパスポートの上位資格になります。

いずれにしても、特に社会人であれば、基本情報技術者試験に合格する自信があるのであれば、最初から基本情報技術者を狙う方がメリットが大きいです。

ただ、基本情報技術者は難易度が高くなり、もともとのIT系の知識がない場合、途中で挫けてしまう可能性も高いかも知れませんね。

また、学生でIT系に苦手意識がある場合には、まずITパスポートを取得することをおススメします。

もちろん学生でも学習時間が十分取れて自信があるのなら、ITパスポートは飛ばして、基本情報技術者を受験するのもいいと思います。

そして、社会人の場合、学習する時間が限られていることが多いため、トータルの学習時間を考えると初めから基本情報技術者試験に挑戦することをおススメします。

基本情報技術者を取得しているなら、ITパスポートを取得する意味がありません。

結論としては、学生の場合は、ITパスポート ⇒ 基本情報技術者、社会人は基本情報技術者一択となります。

基本情報技術者試験の午前免除制度とは?

基本情報技術者はITパスポートと比較すると、出題範囲はかなり広く、難しくなります。

ITパスポート試験の試験時間は午前・午後・夕方の中から1回120分だけですが、基本情報技術者は150分の試験が午前と午後の計2回あり、それぞれ両方で基準点以上を取る必要があります。

かなりの集中力が必要になってきますね。

実は、そんな基本情報技術者試験ですが、午前の試験を免除してもらえる、午前免除制度というのがあるんです。

この制度を使えば、合格の確率を高めることができそうですね。

この午前免除制度を利用するには、試験の実施機関である独立行政法人情報処理推進機構が認定した講座を受講し、講座を修了後、修了試験に合格する必要があります。

おおまかな流れを記載しておくので参考にしてください。

全体の流れ

1.免除対象の講座を受講
2.講座を修了
3.修了試験に合格
4.基本情報技術者試験の申込時に申請
5.基本情報技術者試験の午後試験を受験

免除対象講座

専門学校、大学、通学講座、通信講座が対象となります。

概ね費用は、20,000~30,000円程度で年4回実施されています。

修了試験

修了試験は過去の基本情報技術者試験から95%以上が出題されます。

そのため、実際の基本情報技術者試験の午前本試験よりも難易度が低く合格率も高くなっています

ただし、午試免除制度が受けられるのは、修了試験に合格してから1年間と決められているので試験のタイミングと合わせるようにしましょう。

最後に午前免除試験のメリットとデメリットをまとめおきます。

メリット

・難易度が本試験より易しい

逆にこれがないと受ける意味がないですね。

・本試験の際に午後試験集中できる

これがもっとも大きなメリットではないでしょうか。

基本情報技術者試験は午後試験の難易度がかなり高くなります。

しかも、午前と午後でそれぞれ150分ずつの試験となるため、集中力を保つ必要があります。

そういった意味でも、午前試験が免除になると肉体的にも精神的にも楽になりますね。

デメリット

・学習時間が長くなる

合格に必要な学習時間は個人差はありますが、この制度を使うとどうしても長くなります。

理由の一つは、修了試験から本試験までの期間が空いてしまうため、その間は学習を続ける必要がでるからです。

もう一つは、修了試験を受けるための学習時間も確保する必要が出てくるからです。

・費用が高くなる

もし、午前免除制度を使わなければ、受験料だけで済みますが、通信講座を例にすると2~3万円は余分に必要になります。

基本情報技術者試験の午前免除制度のまとめ

午前免除制度について概要を解説しましたが、上記のようにメリット・デメリットがあります。

午後の試験に自信があるのであれば、特にこの制度を使う必要はないと思いますが、午後試験に集中したいのであれば、午前免除制度は大きなメリットになりますね。

具体的なITパスポートと情報技術者試験との違いとは?

では、わかりやすくITパスポートと基本情報技術者試験との違いを具体的に見てみましょう。

試験形式

・ITパスポート

午前・午後・夕方の1回のみ:CBT方式による四肢選択式

CBT方式の詳細については、下記の記事を参考にどうぞ

・基本情報技術者

午前:四肢選択式(マークシート)
午後:択一式(マークシート)

午後択一式は、問題によって選択肢の数が変わってきますよ。

試験実施日

・ITパスポート

試験会場によって変わりますが、月に2~5回と随時行われています。

ITパスポートの試験日の詳細については、下記の記事を参考にどうぞ

・基本情報技術者

毎年4月の第三日曜日と10月の第三日曜日 年2回実施されています。

ちなみに、午前試験免除の修了試験は、6月・7月・12月・1月に実施されます。

試験時間

・ITパスポート

試験会場によって、午前・午後・夕方で実施されており、試験時間は120分です。

・基本情報技術者

試験は午前と午後に分かれて行われます。

午前は9時30分から12時00分

午後は13時00分から15時30分

いずれも試験時間は150分とかなりの長時間になります。

これだけを見ても、基本情報技術者試験の取得の方がいかに大変かがわかりますね。

試験の難易度

合格率だけで難易度は判断はできないかもしれませんが、やはり大きな一つの目安になると思います。

・ITパスポート

ITパスポートは、下記の表の通り5年間の合格率は45%~54%と国家資格としては比較的易しい試験です。

🔎上表はクリックで拡大できます。

・基本情報技術者

基本情報技術者は、下記の表の通り5年間の合格率は22%~26%で推移しており、ITパスポートと比較するとかなり難しくなりますね。

🔎上表はクリックで拡大できます。

実は、ITパスポートと基本情報技術者の午前の試験それほど難易度は変わりませんが、午後の試験がかなり難しくなっています。

午後対策がうまくいくかで合否の分かれ目になっています。

試験範囲

ITパスポートと基本情報技術者の試験範囲はストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3つに分かれており、どちらもおおまかには同じです。

ただし、基本情報技術者試験の方が、より使われる用語も多く、問題分自体も複雑で難しくなっています

そして、何といっても基本情報技術者試験で壁となるのは午後の試験です。

午後の試験では、アルゴリズム問題ソフトウエア開発(プログラミング言語)問題が出題されます。

この2つが基本情報技術者試験を難しくしている部分で、現役のSEやプログラマーでも不正解となる問題が出題されており、念入りな準備が必要となります。

資格取得による評価

ITパスポートと基本情報技術者を取得しているとどのように評価されるのでしょうか。

やはり新卒にしても、転職時にしても、基本情報技術者を取得している方がITパスポート取得者よりも有利に働く可能性は高いですね。

ITパスポート試験はもともと社会人としてITに関する基礎的な知識を証明する資格という位置づけのため、ITパスポートだけで就職・転職にものすごく有利になることはありません

もちろん、国家資格ですし、基本情報技術者やさらに専門的なIT系の資格の入門資格なので取得しておくに越したことはありません。

では、基本情報技術者はどうでしょうか。

SEやプログラマーの転職に関しては、資格の有無よりも実務経験とそれまで実績がものを言うと言われています。

つまり基本情報技術者を取得しているだけで、実践レベルの業務が行えると判断されるわけではありません。

とはいえ、基本情報技術者資格は、さらに上位の資格を取る基礎力を備えている証明として取得を目指したいところです。

ITパスポートと基本情報技術者の違いのまとめ

いかがでしたか?

ITパスポートと基本情報技術者試験は、試験範囲もほぼ同じで、大きな違いは午後の試験の難易度の高さであることがわかりました。

午後試験対策が十分にできて合格する自信がある人は、是非最初から基本情報技術者試験に挑戦することをおススメします。

基本情報技術者試験はITパスポート試験の上位資格になるので、飛ばせるに越したことはありませんね。

受験料も時間も節約できますから。

ただ、もともとIT系はそれほど得意ではないものの、ITに関する基礎的な知識を証明する資格として取得しておきたい人は、まずITパスポートを目指すといいですね。

ITパスポート試験は独学でも合格ができるレベルの試験ですが、先述のように試験範囲はかなり広範囲にわたっています。

通信講座を利用するとさらに効率よく取得できますので、時間短縮を図りたい方は是非検討してみて下さいね。

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