行政書士の一般知識の足切りとは?その傾向と対策!
行政書士試験の受験生で誰しもが一度は恐怖を覚えたのが、一般知識での足切りではないでしょうか?
国家資格というかどんな資格試験にもその試験特有のルールが存在します。
もちろん行政書士試験にもそのルールがあります。
それが一般知識の足切りです。
いくら「法令関係」の成績が良くても、「一般知識」で一定の正解をしなければ、記述式の採点すらされません。
この記事を更新している時点では、まだ合否は発表されていませんが、自己採点で一般知識40点(満点56点中)だった自身の経験に基づいて、一般知識の足切りとその対策について解説したいと思います。
一般知識の足切りの怖さ!
一般知識の問題は、例年14問(300点中56点)出題されます。(問題数は全部で60問)
そのうち最低6問(24点)は正解をしないと、記述式の問題の採点すらされずに、不合格となってしまいます。
実は、行政書士試験の足切りは、一般知識だけではありません。
下記が一般社団法人 行政書士試験研究センターが公表している合格基準です。
① 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
② 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③ 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
(注) 合格基準については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。
※ 引用元:https://gyosei-shiken.or.jp/doc/guide/guide.html#by-internet
行政書士試験は60問300点のうち、③のように180点以上が合格の基準と言われています。
最初の壁となるのが、②の一般知識の満点の40パーセント以上、つまり14問中6問以上正解すること。
ここをクリアしないと、記述式3問に関しては採点すらされません。(しつこくてすみません)
2022年の本試験の一般知識の所感について
2022年の行政書士試験の合格発表はまだですが、さまざまな予備校などから試験の分析結果が発表されています。
各校に共通するのは、昨年に引き続き一般知識はかなり易しくなっており、ここで足切りをする方向にはないようだということ。
たしかに、私自身も2021年を解いた時も、14問中11問正解しており足切りにはなっていません。
各校の講師が解説されているように易しくなっている、その傾向があると感じます。
ただ、初めての受験で本試験前に2回伊藤塾の模試を受けましたが、2回とも14問中5問しか正解できずにいました💦
そうなんです。
決して私の一般知識の実力が高いわけではなく、たまたま易しかっただけという認識をしています。
2023年も受験予定ですが、 決してこの一般知識の足切りの怖さは残っており、しっかりとした対策が必要と感じています。
どこから手を付けるのがベストか?
まずは、一般知識の試験範囲を理解しておく必要があります。
その範囲は表1の通りです。
範囲 | 問題数 |
---|---|
政治・経済・社会 | 7~8問程度 |
情報通信・個人情報保護 | 3~4問 |
文章理解 | 3問 |
数字だけを見ると政治・経済・社会の比率が高いですが、実際の優先順位は「文章理解」⇒ 「情報通信・個人情報保護」⇒「政治・経済・社会」の順番です。
私自身の実感でもありますし、多くの予備校などでも同様な傾向にあるので、この優先順位は間違いのないところではないかと思います。
一般知識の出題傾向について
ここでは、具体的に一般知識の出題傾向について解説していきます。
まず、優先順位の1番に上げている「文章理解」についてです。
私が受講していたフォーサイトでは、「文章理解」については、過去問問題集があるのみで、対策等についての講義はありません。
自力でも十分に対策が取れるという判断だとは思いますが、過去問を解いていても100%正解できているかというと決してそうでもありません。
確かにここ2年の問題レベルであれば、特別に対策は不要かもしれませんが、問題に慣れておく必要はあるのではないかと思います。
基本的には、内容合致・穴埋め・並べ替えの3パターンが挙げられますので、本試験までにできるだけ多くの問題を解いておく必要があると思います。
そして、できれば3問中3問正解がベストです。
残り11問から3問以上正解すれば足切りが回避できますから。
次に、「情報通信・個人情報保護」についてです。
情報通信については、IT関連の用語知識が問われたり、それが穴埋め形式で出題されるパターンがあります。
個人情報保護については、他の法律分野と同様に条文からの出題もありますので、特に各法律の1条(目的条文)が重要ではないかと思います。
最後に「政治・経済・社会」ですが、一見すると、出題数が多く力を入れないといけないと感じるかもしれませんが、この分野はとてつもなく出題範囲が広いです。
ここにあまり注力しすぎると費用対効果が低すぎます。
とはいえ、まったく何もしないというのも危険だと思いますので、次章で私自身が2022年の経験も踏まえて、2023年に学習しようとしていることを紹介したいと思います。”
2023年一般知識対策について
最近の一般知識分野は易しくなっていると予備校の多くの講師が述べています。
とはいえ、 足切りがあるという事実は変わりません。
なので、私自身もそれ相応の対応をしようと考えており、2023年の行政書士試験を受験しようとしている方と一般知識対策を共有できればと考えてます。
ここから一般知識の各分野毎の対策を具体的に記載し、それに基づいて私自身も学習していくつもりです。
ここでは、先程述べた優先順位の高いものから順に記載していきます。
文章理解
まず、2022年のために私自身が行ったことから記載していきます。
ちなみに、2022年の本試験、そして2021年過去問ともに全問正解しており、ある程度成果があったのではないかと思っています。
7つのテクニカルな方法
受講していた通信講座には具体的な対策方法がなかったため、主にYoutubeなどで対策方法を探しました。
私自身は決して国語の成績が良く、文章読解力が高い方ではありません。
対策として長期的に見ると、読書数(特に本試験で出題されるような抽象的で難しい本)を増やすことが良いのかもしれませんが、なかなかそんな時間はありませんね。
そうなると、いかにテクニカルに解答を導き出すかがカギとなります。
さまざまなYoutubeでの参考動画から自分が納得できるものを抜き出して、その方法に沿って問題に取り組みました。
具体的には、以下の7つの方法を取り入れました。
1.最初に読むのは解答の選択肢から
これは、特に内容把握や文章整序の問題の際に有効ではないかと思います。
極端な話、出題されている問題文の本文を全部読む必要はありません。
時間短縮にも役立ったと思います。
2.指示語はその前の部分に注目
キーワードとなるのは 「この・その・あの・どの」などのような指示語です。
「その」が出てくれば、その前の部分に「その」に該当するキーワードが必ず出ているはずです。
この方法は文章整序に効果的だと思います。
3.2種類の接続詞に注目
この方法は特に文章整序の問題に効果的です。
接続詞には大きく分けると「順接」と「逆説」があります。
「順接」⇒ 「したがって」「だから」
「逆接」⇒ 「しかし」「だけど」
このことからも問題を解くにあたって最初に読むべきは解答の選択肢からだということがわかると思います。
そして、文章整序の問題の空白部分の前後の文章と選択肢を読むだけで答えが導き出せる問題があるんです。
4.消去法で選択肢を消す
この方法はすこし邪道かもしれません。
また、この方法は文章理解だけでなく択一式の問題にも応用できるかもしれません。
それはあまりに強い表現のものは正解ではない可能性が高いというのがポイントで正解が絞り込めるわけです。
例えば、絶対に」「必ず」などの断定的な表現です。
公務員試験用の問題集を活用
上記の方法は有効ですが、やはり実際に多くの問題を解かないといきなり本番で使うことは難しいです。
ただ、私は行政書士の文章理解だけの問題集というのを見つけることができませんでした。
そこで、活用したのが下記の公務員用の問題集(公務員試験 新スーパー過去問ゼミ6 文章理解・資料解釈)です。
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ただ、あくまで公務員試験の問題集なので、文章理解の問題は分厚い問題集の割にはそれほど多くはありません。
現代文で4つのテーマ(内容把握・要旨把握・空欄補充・文章整序)で約61問くらいですが、私自身はかなり役に立ったと思います。
文章理解の問題は複数回解く意味はあまりないので、1回しかやっていません。
正解率は35/61とかなり悪くその内容も結構難しい問題もありますが、難解な文章に慣れるという意味でもやる価値はあると思います。
別途テーマ別通信講座を活用
ここからは2023年に向けて検討している対策方法です。
対策その1をキープしつつ、他の一般知識も含めた予備校(LECや伊藤塾)のテーマ別の集中講座(通信)を受けようかと思っています。
情報通信・個人情報保護
この分野に関しては、通信講座のテキストと過去問集をベースに学習をしました。
2022年に関しては個人情報は1問しかでませんでしたが、見事に落としました。
どれだけ的を絞ってもこういうところがあるのが、この試験の怖いところだなと思いました。
対策としては、文章理解の3つ目に上げている集中講座(通信)を考えています。
政治・経済・社会
さて、もっともやっかいな分野がこの「政治・経済・社会」です。
時事問題も出題されるので、その対策も必要になります。
ここは完璧にするのは不可能なので、7問中3~4問をなんとか正解にするための勉強で、あまり時間をかけすぎるのは良くないかなと。
時事ネタをコツコツ収集
時事問題の対策としては、新聞から出題されそうな話題をスマホのメモにピックアップし始めています。
あまり時間はかけずに気になったものだけを短時間でメモに書き込み、時間のある時にざっと見るくらいです。
通信講座の活用
2022年は模試は2回のみ受けました。
2023年に関しては、もう少し多くの予備校の模試を受けようかと思っています。
そして、その際に出題された問題をしっかりフォローしておこうと思います。
プロが厳選している問題なので、自分で調べるものよりも出題される確率は高いと考えます。
公務員試験用のテキストと問題集を活用
一般知識と同様に、こちらも下記の公務員試験用の教材を活用しようかなと考えています。
まだ、令和5年度版が発売されていないので、令和4年度版を掲載しておきます。
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上記のテキストとトレーニングで1年目に一般知識で落ちた方が2年目大幅得点アップした、なんてこともあったようです。
Youtube大学の活用
これもあるYoutubeの弁護士先生が推奨していたことで、武勇伝で一世を風靡したオリエンタルラジオの中田敦彦さんのYouTube大学 – NAKATA UNIVERSITYの視聴。
もちろんすべての動画が一般知識に関連しているわけではありませんが、とにかく話がわかりやすく面白いです。
ここまで、一般知識対策をいろいろ紹介してきました。
あまり時間をかけすぎてはいけないといいつつ、最後の「政治・経済・社会」は結構材料が多いです。
特に初受験の方はたぶん時間足りません。
私も2年目でも時間は足りないかと思っているのですが、一つは、行政法など暗記も必要な科目の合間にする気分転換としてやっていこうかなと思っています。
なので、これまでの方法を100%やるつもりはありません。
行政書士の一般知識の足切りとは?のまとめ
いかがでしたか?
この記事では、行政書士試験の一つの制度である一般知識について解説してきました。
繰り返しになりますが、ここ2年ほどはかなり易しくなっている傾向にはあります。
ただ、油断は禁物だと思っており、上記のような対策を考えています。
もちろん、この試験のメインとなるのは行政法・民法でこの2科目の対策はやり過ぎるということはありません。
その上で、次にリスクのある一般知識の足切りも回避する必要があります。
私自身はほぼ2年目となるのが確定していますが、1年目よりもより深く必要な知識を定着させようと思います。
また、実際に受験をしてみて感じるのは、やはり現場思考でどれだけ正解にたどり着けるかということも合否を分けると思います。
2023年受験される方、一緒に頑張りましょう。
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