旅行業務取扱管理者に5年毎の研修が義務化された!永久資格じゃないの?
私が通うスポーツジムで知り合った男性が旅行会社の起業の準備をしています。
先日お会いした際に、このような会話になりました。
どうやら、旅行業の更新のための研修制度を自身の資格を保持するために必要な研修と勘違いされたようですね。
もしかすると同じように勘違いしている方がいるかもしれませんね。
義務化されたのは、あくまで旅行業更新のために必要な研修制度であって、個人が取得した資格に関しては、これまで通り永久資格なので安心してください。
そこで、良い機会なので、旅行業の研修制度について、この記事では解説していきたいと思います。
旅行業務取扱管理者は永久資格が魅力の一つなのに!
ちょっと資格の更新について整理をしておきたいと思います。
一番わかりやすい資格の更新といえば、自動車免許ですね。
更新をしないと運転できなくなってしまいます。(更新は簡単ですが)
国家資格の中には、このように有効期間があり更新手続きが必要な資格があるんです。
たとえば、コンサル資格として人気のある中小企業診断士も、所定の研修を修了するか、論文審査に合格する必要があり、所定の実務能力を維持していると認められる必要があります。
結構ハードルの高い資格です。
旅行業務取扱管理者は国内も総合も一度取得すれば、改めて更新をするための研修や費用の必要のない永久資格です。
私自身もまだ名称が一般旅行業務取扱主任者(元総合)時代の総合旅行業務取扱管理者資格を持っていますが、更新や研修を受けなくても資格そのものがなくなることはありません。
他の条件がそろえば旅行業務取扱管理者にもなれますし、起業も可能です。
ただ、旅行業そのものが更新が必要ないわけではありません。
もともとは、旅行業は、登録日(もしくは前回の更新日)から5年間という有効期限があり、有効期間満了日の2ヶ月前までに登録省庁に申請が必要でした。
それが、平成30年1月4日の旅行業法の改正によって、旅行業者等の営業所で選任されている旅行業務取扱管理者本人も、5年毎に定期的な研修の受講が義務付けられたんですね。
どうも、その辺りがごっちゃになってしまったようです。
現行でも、旅行業の有効期間は5年であることに変わりはありません。
研修を受講しないと旅行業の登録更新ができない?
他の事業と同じように旅行業を取り巻く状況は大きく変わってきています。
昔のような団体旅行が減少し、個人旅行が増加したり、インバウンド(海外からの旅行者)も増加傾向にあります。
旅行会社で選任されている旅行業務取扱管理者もその変化に対応し、旅行業法や関連法令、旅程管理に関して最新の知識を身につけておく必要があるという理由で義務化されたんですね。
この件については、観光庁・一般社団法人 日本旅行業協会・一般社団法人 全国旅行業協会から、「研修を受講していないと旅行業の登録更新ができません。確実に受講して下さい。」と指示がでているので注意が必要です。
引用:https://www.mlit.go.jp/common/001226299.pdf
旅行業務取扱管理者定期研修の詳細とは?
では、ここで、義務化された旅行業務取扱管理者の研修について参考までに記載しておきたいと思います。
1.研修機関
実施団体:一般社団法人 日本旅行業協会 一般社団法人 全国旅行業協会
2.受講時期
旅行業の登録更新の2ヶ月前に当たる日までに研修を受講し、修了証の写しを提出
※ 登録行政庁(観光庁長官 又は 都道府県知事)は、旅行業の登録更新の際に研修受講の有無をチェック
3.対象者
営業所において選任される旅行業務取扱管理者及び旅行業務取扱管理者として選任見込みの者が対象
4.研修内容
令和元年度の旅行業務取扱管理者定期研修を参考にします。
受講時期は上記の通りですが、制度改正の周知が十分に行き届いていないことを配慮して経過措置が取られていますね。
具体的には、平成30年1月4日から令和2年3月31日までに旅行業の登録の有効期間の満了日の2ヶ月に当たる日が到来する旅行業者等は、登録更新の際に登録行政庁へ「誓約書」を提出することで、令和2年3月31日までの間に「旅行業務取扱管理者定期研修」を受講すればよいことになっています。
そして、受講希望者が一時期に集中するのを防止するために、優先順位が決められており、この経過措置は2024(令和6年)年度末までと決まっています。
① 受講料
10,000円(1名あたり)非課税
② 研修日程
09:50 ~ 10:00 ガイダンス
10:00 ~ 16:30 講義(昼休み1時間)
16:30 ~ 16:50 修了証交付・質疑
※研修修了のためのテストはありません。
テストじゃないので、とりあえず受講さえすれば問題はありませんね。
③ 開催会場
今後は会場や日程は変わると思いますが、参考として、令和元年度の開催都市、開催日、会場、定員を記載しておきます。
🔎上表はクリックで拡大できます。
旅行業務取扱管理者の5年毎の研修のまとめ
ということで、もしかすると、旅行業務取扱管理者にも有効期限があって、更新をしないと旅行業務取扱管理者資格が無効になると心配されている人がおられたなら、まったく問題はありませんので安心してくださいね。
旅行業務取扱管理者資格試験は国家試験の中ではそれほど難易度も高くありませんし、起業にもそれほどハードルは高くないので、是非挑戦してほしいと思います。
旅行業の起業については、以下の記事も参考にどうぞ。
人生100年時代に会社を定年退職しても。60代前半であればまだまだ元気です。写真と旅行が趣味の60代男性がもし起業するなら旅行会社を設立するという手があります。どのような手順で起業するのが良いかをわかりやすく解説しました。
また、資格試験に関して、独学でも合格できるとは思いますが、勝負は起業してから、どれだけ固定客を確保できるかが勝負です。
資格取得のための労力を少しでも減らすなら、通信講座がおススメですよ。