行政書士の年収ってどれくらい?開業して食べていけるの?
行政書士の年収ってどれくらい?開業して食べていくことができるのでしょうか。
まだ私自身は行政書士試験にも合格していない状況ですが、やはり合格後のことを考えてしまいますね。
せっかく取得した資格ですから、なんとか自分のキャリアの中で活かしたいと思われている方も多いのではないでしょうか?
その中でももっとも気になるのは、収入、つまり年収はどれくらいあるのだろうかという点です。
いろいろと調べた結論は、「状況によって大きく変わる」です。
こういってしまうと身も蓋もありませんが、行政書士はその働き方によって年収の差が激しく変わります。
そして、公的なデータはありませが、行政書士の平均年収は300万円~600万円くらい。
開業している行政書士の中には1,000万円以上の年収を稼いでいる方もいるので、開業により食べていける可能性は十分にあります。
独立して起業を目指すのか、法人や個人事務所に就職するのかによっても当然変わりますし、その中でも取り扱う案件によっても大きく変わってくると言われています。
この記事では、自分が行政書士試験に合格した時を想像しつつ、現状について考察していきたいと思います。
行政書士として稼いでいきたいと思われている方に少しでも役立てば嬉しです。
データから見る行政書士の年収
まずは、現状把握からですね。
早速ですが、平成25年と平成30年に日本行政書士会が行ったアンケート結果を見てみましょう。
※ 引用元(https://www.foresight.jp/gyosei/column/income/)
年間売上高 | 割合(平成25年) | 割合(平成30年) |
---|---|---|
500万円未満 | 78.0% | 78.7 |
1,000万円未満 | 11.4% | 11.3% |
2,000万円未満 | 5.0% | 5.3% |
3,000万円未満 | 1.9% | 1.8% |
4,000万円未満 | 0.9% | 0.8% |
5,000万円未満 | 0.6% | 0.5% |
1億円未満 | 0.7% | 0.8% |
1億円以上 | 0.3% | 0.3% |
ここで表示されている金額はあくまで売り上げですので、ここから経費を差し引いたものが年収になります。
当然ですが、1人起業している場合と補助者や従業員がいる場合では、経費はかなり変わってきます。
ただ、1人起業で自宅など経費を抑えてる場合には、90%くらいは売上と考えても問題はないのではないでしょうか。
また、年間売り上げ額が3,000万円を超えてくると1人起業では難しく、多くの場合、従業員が複数おり、その場合には3、4割は経費がかかると予想されます。
そうすると最終的には2,100万円~1,800万円が年収の目安となります。もちろんそれを人数で割ることになります。
もちろん代表者であるか、補助者であるかによっても年収は大きく変わってきますね。
あくまでアンケートの数字で(平成30年で4338通)公的なデータはありませんので、推測になりますが、平均年収は300万円~600万円くらい。
ただ、中には1,000万円、2,000万円と稼いでいる行政書士がかなりいることも事実です。
難関資格でも就職は難しい?
あらためて別記事でも解説したいと思いますが、上記の平均年収には勤務している行政書士も含まれています。
行政書士資格を取得していれば、すぐに独立開業することは可能ですが、やはり実務経験がないのは不安ですね。
また、収入も不安定になりがちですので、行政書士として就職するという選択肢もあります。
ただ、とにかく行政書士の場合募集件数が少ないんです。
多くのスタッフを雇用している法人が絶対数として少ないため、資格の難易度の割に就職の環境は決して良い方ではありません。
ちなみに、参考までにですが、勤務行政書士の場合月収は20~40万円とこちらもかなりばらつきがあります。
行政書士のタイプ別年収
前項目で少し勤務行政書士の話もしましたが、もう少し詳しく行政書士の働き方について、そのタイプ別の年収などについても触れておきたいと思います。
登録しているだけの場合
実際に行政書士の資格を持っており行政書士名簿に登録をしている人の中で、実際には会社員で行政書士としての収入がない人もいます。
すぐには行政書士として単独で業務を行う予定はなく、将来のためのキャリアアップのために登録しているというケースもあるようです。
(行政書士資格は生涯資格ですので、会社を定年してからでも登録は可能です)
勤務行政書士の場合
これは前項で解説したパターンですね。
求人が少ないため、なかなか難しいところはありますし、年収も特に初年度は200万円~300万円のスタートとなるようです。
開業している専業行政書士の場合
行政書士の年収が非常に幅があるのは、この開業している専業行政書士の年収の差が大きく影響しています。
共通して言えるのは、よほど開業前に顧客を持っていない限り、初年度の年収が100万~200万ということも十分にあり得ます。
逆に、年収1,000万円以上目指すことができる業態であると言えますね。
また、定年後の仕事として、大きな収入を目指さずに取り組む人も一定数いますし、本当に千差万別な働き方ができるわけです。
他の士業の年収について
ちなみに、行政書士と同じように独立開業を目指せる主な士業の年収についても調べてみました。
士業といえば、弁護士、税理士がすぐに思いつきますが、ここではそれ以外の以下の3つの士業と比較してみました。
司法書士
行政書士と司法書士は相続など同じような手続きを行えますが、司法書士は登記まで行える独占業務を持っている点が違います。
勤務司法書士は行政書士と比較すると合格する方が少数ということもあり、やや年収が高いと言われています。
独立開業の場合、行政書士同様に個人差がかなりありますが、こちらも行政書士が年収1,000万円を超える割合が10%程度に対して、司法書士は18%程度とやはり高収入になっています。
※ 参照元(司法書士白書2017年版https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2018/05/8866c74e28467dafcaed62974348c123.pdf)
ただ、行政書士と比較すると司法書士の方が合格率も低く、必要な学習時間も3倍近いとも言われていますし、個人差もかなり大きいので、一概に司法書士が収入と多いと単純に考えるのは正しくないかもしれませんね。
社会保険労務士
社会保険労務士は、企業の中で社員等の採用から退職までの労務や社会保険に関する諸問題、また年金の相談などの業務を行う専門家です。
企業や事務所などの勤務社会保険労務士の他、私が以前勤務していた会社にも顧問社労士のように独立開業されている方もいます。
独立開業している場合には、行政書士・司法書士と同様にに個人差がかなりあり、年収で行政書士と比較すると年収1,000万円を超える割合は13.5%とやや行政書士よりも多い収入になっています。
※ 参照元 専門士業の「専門性」形成のモデル構築:社会保険労務士を手がかりとして 第2部 アンケート調査(http://www.law.osaka-u.ac.jp/senmonshigyou/pdf/part2.pdf)
ちなみに、勤務社会保険労務士の場合には、平均値が600万円~700万円と勤務行政書士よりも高い傾向があります。
理由は元々勤務していた企業で資格を取得し、手当等で給与がアップしたことが考えられます。
宅地建物取扱士
宅地建物取扱士というよりも「宅建士」といった方がピンとくるかもしれませんね。
宅建士は不動産取引の専門家で、毎年20万人近くの受験者数のある人気の国家資格です。
不動産業界で勤務しながら資格を取得して、その後独立するというケースが多いようです。
行政書士同様に、公式なデータはありませんが、宅建士が所属する不動産業業界の平均年収は500万円強と他業種と比較すると高い傾向があります。
行政書士で年収アップを図る方法
行政書士という言葉自体は認知度が高まっていますが、実際にどんなことをしているのか、説明に困る士業でもあります。
とにかくその守備範囲が非常に広い
そして、どのような業務を取り扱っているかによっても、年収は大きく変わってきます。
また、別記事で取り上げたいと思いますが、「薬局開設許可」「産業廃棄物処理業許可申請」「帰化許可申請」などは高収入が期待できる業務と言われています。
ただ、専門的な知識や申請のノウハウなども必要で難易度が高いのは言うまでもありません。
行政書士の年収と開業のまとめ
いかがでしたか?
私自身この記事を作成した時点で、行政書士の勉強を始めて半年になります。
もちろん合格することも大事ですが、やはり合格した後どうするのかということもしっかり考えておかねばと思います。
調べれば調べるほど、取り扱える業務の幅が広いがゆえに、何に焦点を絞ればよいかわからなくなってしまうこともありますが、開業することで大きなチャンスが生まれることも事実です。
事務所を大きくして大きな収入を得ることも一つの魅力ある夢ですね。
一方では、一人でコンパクトに無理をせず、なんというか自分が目の届く範囲の中でだれかのお役に立てて、それを糧に暮らしていければと考えている人にも向いている仕事でもあると思います。
あなたはどうですか。
いずれにしても、まずは行政書士試験に合格しなければ話になりませんね。
独学も一つの方法ですが、通信講座で少しでも無駄を省くのも良い方法ではないでしょうか。
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