ファイナンシャルプランナーは日本FP協会ときんざいのどっちで受ける?
あまり他の国家資格にはないのですが、ファイナンシャルプランナー試験では、2つの試験機関があり、このシステムを複数指定試験機関方式と呼ぶそうです。
具体的には、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(略称:日本FP協会)と一般社団法人 金融財政事情研究会(略称:きんざい)の2つでですね。
※ 以降は略称を使いますね。
結論として、まったくの初学者で3級FP技能士から受験するのであれば、日本FP協会で受験することをおススメします。
私自身も独学で3級FP技能士を受検する際に日本FP協会から申込をしました。
2020年5月の試験はコロナウイルスの影響でファイナンシャルプランナーの全試験が中止になってしまいましたが、9月も日本FP協会で受験しようと思っています。
この記事では、私自身の経験やその他の受験者の意見なども踏まえて、どちらを受けるのが良いのかをその理由も含めて解説していきたいと思います。
FP試験には日本FP協会ときんざいの2つが選べるけど、どっちがいいの?
私が3級FP技能士を初学者が受けるなら日本FP協会を進める理由は以下の2つからです。
① 日本FP協会の方がきんざいよりも合格率が高い
下記表のようにかなり差がありますね。
🔎上の表はクリックで拡大できます。
また、この傾向は2級FP技能士でも同じです。
以下の記事を参考にしてみて下さい。
ファイナンシャルプランナー資格取得は3級FP技能士であれば独学でも合格可能ですが、効率よく2級FP技能士+AFPの取得を目指すなら通信講座を受講することをおススメします。この記事では、ファイナンシャルプランナー資格取得の通信講座として、フォーサイト・ユーキャン・たのまな(ヒューマンアカデミー)・ECCを比較してみましたので参考にどうぞ。
② きんざいの方が難しいマニアックな問題が出題されている
さらに、①②に加えて、私にとっては実際に実技の問題を解いた際の正解率が日本FP協会の方が高かったということも日本FP協会を選択する大きな要因になりました。
この点については、個人差があるので、実際に問題を解いてみて判断をして欲しいと思います。
日本FP協会ときんざいは何が違うの?
そもそも日本FP協会ときんざいと受験する際の違いは何なのでしょうか?
この記事では、私自身も勉強をしている3級FP技能士を例に話を進めていきます。
相違点 試験科目について
3級FP技能士試験は、学科試験と実技試験の2つに分かれています。
そして、学科試験においては、日本FP協会ときんざい、どちらで受けてもその試験内容はまったく同じです。
大きく異なるのは、実技試験になります。
日本FP協会の場合には、資産設計提案業務のみで選択肢はありません。
その点、きんざいは個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務の2つから選択可能です。
ただ、正直に言うと初学者で実務経験がない場合には、選択肢があることはあまり優位には働かないと私は感じています。
相違点 実技試験の問題数や難易度について
3級FP技能士の場合、日本FP協会はほぼ1問1答で問題数が多いです。
一方、きんざいは問題数は少なく、枝番に分かれています。(1-1、2、3のように)
また、ややマニアックな問題も出題され難易度は高く感じました。
問題数が少ないということは、きんざいでは間違えた場合の減点も大きくなりますし、間違った時に1問全滅する可能性もあります。
独立している分だけ日本FP協会の方が合格点をクリアしやすいと思います。
ただ、日本FP協会の問題には参考書や問題集からではなく、ニュースや新聞、マネー関連から出題される傾向があります。
周辺知識に強ければメリットになりますが、参考書や問題集だけでは正解できない問題も出題されます。
一方、きんざいでは、問題集や参考書のみで試験対策ができるという利点もありますね。
この辺りは、実際に問題を解いてみて、どちらの方が正解率が高いのかをチェックすると答えは見えてくると思います。
相違点 受験会場
日本FP協会、きんざいともに全国全都道府県に試験会場が用意されていますが、きんざいの方が受験者数が多いということもあり、より多くの会場設定されています。
ただ、自分で場所までは指定できませんので、あまり受験の際に選択する理由にはなりませんね。
共通点もあるので安心!
ところで、日本FP協会ときんざいで試験合格した際に取り扱いが変わったりするのでしょうか?
時々勘違いされることがあるようですが、3級FP技能士、2級FP技能士をどちらの試験機関で受けても、さらに上位資格である1級FP技能士やCFP®を受験することができます。
もちろん、日本FP協会で合格しても、きんざいで合格しても、FP技能士の資格の価値にまったく優劣はないので安心してください。
また、日本FP協会ときんざいでは、学科科目、試験日ともに全く同じで共通です。
受験するタイプ別にどちらがおススメか検証してみた
初学者以外がファイナンシャルプランナー試験を受ける場合について、タイプ別にどちらの試験機関を受ける方がいいか検証をしてみました。
すでに実務経験のある人
実技試験については、日本FP協会は3級FP技能士、2級FP技能士ともに1つのみです。
一方、きんざいでは、3級FP技能士が2つ、2級FP技能士は5つからの選択になります。
日本FP協会の場合には、ファイナンシャルプランナーの学習範囲である6分野より幅広く出題されます。
一方、きんざいの場合には、2級FP技能士試験の実技試験を受ける場合、「生保顧客資産相談業務」という学科がありますが、これを選択するとします。
その場合には、年金や相続贈与、タックスからも出題されますが、主となるのは生命保険と医療保険で、保険の配点が40%を占めます。
しかも、損害保険の問題は出題されません。
生命保険を取扱い会社に勤務している場合には、業務範囲と重なる部分があるので、かなり有利になり、この場合にはきんざいを選ぶのがベストですね。
上記に該当しない場合には、基本的事項を問われる日本FP協会を選択する方が合格しやすいとも言えます。
受験に多くの時間を確保で出来る人
日本FP協会を選択した場合、難易度は高くないものの、参考書や問題集以外のニュースや新聞などから出題されるケースがあります。
その部分だけを見ると、なかなか対策が難しいとも言えますね。
一方、難易度は高いものの、きんざいの場合、対応している問題集が多くありますので、受験勉強のための時間がしっかり確保できる場合には受験対策が容易になります。
しっかりと問題集を解く時間が取れる場合には、きんざいがおススメできますね。
まとめ
この記事では、ファイナンシャルプランナーを受験する際に、日本FP協会かきんざいのどちらを受けるのがいいのかを紹介してきました。
最初にも述べた通り、まったく実務経験もなく初学者で3級FP技能士を受けるなら、日本FP協会で受験することをおススメします。
ネットでいろいろと調べてみると、実技試験の内容によって、いずれの試験機関を選ぶかを決めたらよいと書いている記事をよく見かけます。
ただ、私もそうでしたが、そもそもファイナンシャルプランナー試験が6つの科目に分かれていること自体知りませんでした。
つまり、得意な分野と言われても初学者にはそもそもその判断する基準がありません。
全体を学習して理解するしかありませんし、その中で自分が得点しやすい科目が少しずつわかってくるというのが正直な私の感想です。
特に、3級FP技能士はきんざいも2科目からしか選べませんから、私の場合は合格率が高く、一問一答式の日本FP協会を受けることにしました。
もちろん、実際に問題集を解いて、正解率の高い方を選ぶという選択肢もありますので、じっくりと検証してみましょう。
また、3級FP技能士試験よりも上級試験である2級FP技能士試験も傾向は同じですが、きんざいの実技試験の科目数が4つに増えます。
難易度もさらに高くなりますね。
3級FP技能士は独学でも十分に合格できると思いますが、2級FP技能士試験を受けるなら通信講座を受ける方が効率はいいですし、どちらの機関を選ぶのかという相談もできるので、通信講座の受講もぜひ検討してみて下さい。
2級FP技能士、AFP認定研修機関である4つの通信講座の比較はコチラ
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